- いい株の探し方が知りたい
- 株を分析できるようになりたい
- 確実に儲かる株を買いたい
この記事ではこのような悩みを解決できます。
株を分析して、購入するまでの手順を、30以上のチェックリストにわけて紹介するからです。
そこでこの記事では、株を買う前にチェックしておくべき項目を紹介します。さらに「朝日ネット」を例にとって、具体的なチェック方法をご紹介します。
この記事を読み終えれば、株をどのように分析すればいいのかが分かり、“良い株”を探せる様になりますよ。
本記事の分析フローはこびと株.comさんの「【高配当株の探し方】投資銘柄探しの5ステップをシンプルに解説!」を参考に、一部改良を加えたものです。
良い株の探し方を知る前に
良い株を知る前に、”良い株”の定義を確認しておきましょう。
こんな企業に投資したい!良い株とは?
さっそくですが、私が考える”良い株”とは、業績が伸びそう!と期待できる企業の株です。
なぜなら、業績が良くない企業は、わたしたちに還元できる力がないから。
例えば配当金。業績が右肩あがりの企業は、配当金もたくさん出してくれます。
もし株主優待を狙っている場合でも、業績が伸びている企業になればなるほど、よい優待券をもらえるはずです。
このように良い株とは「今後も業績が伸びそうだな」と思える株であり、そういった株を探す方法をこの記事では紹介します。
株の探し方から購入までの7ステップ
株の探し方と分析、購入までは、大きく7つのステップに分かれています。
興味のある株を見つける
興味のある株を見つけないことには何も始まりません。
すでに投資したい企業があるなら、次の「最近の財務状況を分析する」に進んでください。
まだ投資先が決まっていないなら、下のサイト (Yahooファイナンス) を参考に、ちょっぴりでも興味のもてる株を見つけましょう。
少しでも興味ある株は見つかったでしょうか?私は今回、高配当株で有名な「朝日ネット」さんを選びました。
それでは早速、選んだ株が優良物件かどうかを分析していきましょう。
最近の財務状況を分析する
興味のある企業は見つかったら、まずは売上や利益率を見ていきます。(資料へのアクセス方法はのちほど)
具体的には、以下の項目を時系列でチェックします。
チェック項目 | 良好な財務状況 |
---|---|
売上 | 右肩上がり |
EPS (1株あたり利益) | 横ばい〜右肩上がり |
FCF (フリーキャッシュフロー) =営業CF-投資CF | 赤字の年がほとんどない |
1株あたり配当金 | 横ばい〜右肩上がり |
営業利益率 | 横ばい、安定 |
自己資本比率 | 低すぎないか? (同業と比較して) |
これらを最初にチェックする理由は、企業が健全かどうかを判断できる基本項目だからです。
例えば、売上がマイナスの企業には投資したいとは思えませんよね。
このあたりの数字や用語は、簿記を勉強するとスっと理解できるようになります。
簿記に興味がある人はぜひ「簿記取得のメリット(準備中)」もチェックしてください。
実際にIR BANKで最近の財務状況を見る。(所要時間15分)
それでは実際に、チェック項目に沿って分析してみます。
まず以下の手順で、朝日ネットの財務状況の資料にアクセスします。
資料にアクセスできたら、先ほどのチェックリストに従って「健全な企業かどうか」を確認しましょう
チェック項目 | 良好な財務状況 | 朝日ネットの財務状況 |
---|---|---|
売上 | 右肩上がり | 右肩上がり |
EPS (1株あたり利益) | 横ばい〜右肩上がり | 基本的に右肩上がり |
FCF (フリーキャッシュフロー) =営業CF-投資CF | 赤字の年がほとんどない | 赤字は基本なし。営業CFが黒字だから現状問題ない。 |
1株あたり配当金 | 横ばい〜右肩上がり | 10年通じて穏やかに右肩あがり |
営業利益率 | 横ばい、安定 | 右肩下がり |
自己資本比率 | 低すぎないか? (同業と比較して) | 85%越え。比較するまでもなく超安定。 |
ひとまず問題は無さそう。少し気になるのは営業利益率が15年通じて右肩下がりの点。
営業利益率の減少のあった2015年あたりから、原価率も緩やかに増大しているので、これが原因かもしれません。(追記:確かに原価の増大は企業も問題視していました(後述))
この理由もちゃんと調べるのが大切ですが、この時点では放っておきます。
私は表のように赤文字にして、あとで見逃さないようにだけしておきました。
罠銘柄じゃないかをチェックする
次に罠銘柄じゃないか?を次のチェックリストに沿って確認します。
パッと見で良い株に見えても、見てくれだけ良い株が多かれ少なかれ存在します。
そんな危険をはらんだ株ではないかをチェックするステップです。
以下の項目について、過去5〜10年ほどにわたってチェックします。
ココ最近の企業の状況
チェック項目 | 良好な財務状況 |
---|---|
業績のぶれ | 年度によらず業績が安定 |
最近、赤字転落してないか? | 直近数年で赤字ではない |
最近、営業CFがマイナスになってないか | マイナスになっていない |
最近、借入金が激増してないか | 激増していない |
他の企業と比較すると良い項目
チェック項目 | 良好な財務状況 |
---|---|
営業利益率 | 競合他社と同程度かそれ以下 |
自己資本比率 | 低すぎない (一般的に50%くらいから安定企業と言われる) |
配当性向が高すぎないか | (個人的に) 50%以下がいい |
そのほかにもいくつかのチェック項目がありますが、以下の項目はそこまで重要視しなくても問題ないと個人的に思っています。
このステップのチェックを丁寧にやると、「投資してもいいかも」と安心感が芽生えてきます。
同業他社との比較も入ってきて、優れた企業かどうかが客観的に見えてくるからです。
罠銘柄じゃないかを実際にチェックする (所要時間25分)
それでは実際に分析した結果を紹介します。
チェック項目 | 良好な財務状況 | 朝日ネットの財務状況 |
---|---|---|
業績のぶれ | 年度によらず業績が安定 | 売上・利益ともに15年間赤字転落なし |
赤字転落してない? | 直近数年で赤字ではない | 上記と同様 |
営業CFがマイナスになってない? | マイナスになっていない | 15年以上安定 |
借入金が激増してない? | 激増していない | 変化なし |
チェック項目 | 良好な財務状況 | 朝日ネットの財務状況 |
---|---|---|
営業利益率 | 競合他社と同程度かそれ以下 | ・16% (原価率65%前後)。原価率が増大したことが影響? ・KDDIは20%前後 (原価率55%)。ソフトバンクも17%前後。(原価50%前後) ・結論:原価率は同業他社に比べて10%ほど高めかもしれないが、利益率は中堅レベル。 |
自己資本比率 | 低すぎない | 15年間85%以上を維持、高すぎ。逆に怖い。 |
配当性向が高すぎないか | (個人的に) 50%以下がいい | ・平均で50%ほどと高め。 ・高配当企業と比較 [三井住友FG:最近は35~50%、丸紅:5年間25%] ・自己資本が高いが故に、当期純利益を還元に充てているのかも? |
結論としては、売上・利益ともに安定感があり、自己資本比率もめちゃくちゃ高いので当分は安定していそうです。
高い原価が若干の懸念事項ですが、それでもあまりある安定感があると思います。
数字だけの分析はこの辺にして、そろそろ朝日ネットがどんな企業なのかをみていきましょう。
その時に活躍するのが有価証券報告書です。
有価証券報告書から、企業の詳細を分析する。
ぶっちゃけ有価証券報告書は情報が多すぎて、まだ何をチェックすべきかは定まっていません。
ひとまず現在の私は、以下の項目についてチェックしています。
これらの項目をチェックする理由は、なんとなくどんな企業なのかがイメージできるようになるから。
朝日ネットの分析結果を紹介します。
実際に有価証券報告書を分析する
分析結果がこちら。
チェック項目 | 朝日ネットの有価証券報告書より |
---|---|
従業員の数・年収・平均年齢 | 従業員数:193 平均給与:500万円 平均年齢:39歳 その他:最近約60人いた契約社員?を正社員雇用 |
何をリスクと見ているか? (どんな可能性があるか) | ・新規ユーザーの獲得↓ ・投資した設備の資産価値↓ ・回線元の通信障害による影響 ・通信業者との契約 ・人材確保↓ |
事業は何をやっているのか? | インターネット接続サービス(ISP事業) |
事業の種類・収益を支える事業 | 売上の86%が「インターネット接続サービス」 |
「今」何をやっているの? | 契約者数の増大 |
「今後」何を強化するの? | 動画配信サービス・オンラインゲームなどのインターネット上の活動の増大を期待し、契約者数の増大を重点化 |
数字だけの無機質な分析と一転して、朝日ネットがどんな事業をしているのかがイメージしやすくなりましたね。
例えばインターネット接続サービスをやっているなら、家を契約する時などにお世話になるかもしれません。
また、IPv6 (最新技術らしい) も取り入れ、売上も大きく伸ばしています (収益の半分)。
不安な点としては「インターネット回線の提供」だけに頼りすぎている点ですね (収益の8割以上)。もし他社にシェアを奪われると、業績が悪化する可能性があります。
すでに契約が多いので急にシェアをすべて奪われる心配はないですが、同業他社の台頭には特に注意を払わないといけませんね。
有価証券報告書の中には「原価明細書」みたいなのもあったのでチェック。
2022年には、2016〜8年には存在しなかった業務委託費という項目がありました。↓
外注の増大が、原価率が高い (営業利益率が低い) 原因かもしれません。
例えば、企業の規模が大きくなるにつれ外注の機会が増え、原価がアップした可能性がありますね。
まとめると、インターネットに必須である「回線」を事業の中心に据えている点では安定。収益の柱が一つしかない点と、かといって新しい事業計画などが見えない点は不安事項。
結論としては、競合他社に注意を払いつつ、配当がもらえる間は株を持っておきたい株です。
何をやってる会社か?
次にHPをチェックします。
チェック項目としては次の通り。
HPはめんどうくさがらずに読むのがオススメ。
有価証券報告書でなんとなーく理解していた項目が、HPで驚くほど理解できるからです。
例えば朝日ネットの有価証券報告書では、「インターネット接続サービスとインターネット関連サービス」という2つのサービスを扱っていると記されています (下記画像)。
しかし、この言葉だけでは具体的に何をやっているのかサッパリわかりませんよね。
ところがHPでは、下記画像のように”どんなサービスを扱っているのか”分かりやすく説明してくれます。
このように、HPの情報は一般向けにとても分かりやすいので、絶対に読みましょう。
加えて、株主への説明会に使われる”決算説明資料”もオススメです。
HPより数字で詳しく書かれており、有価証券報告書よりやさしい言葉で書かれているからです。
決算説明会資料はどの企業HPにもある「株主・投資家情報」「IR関連情報」からアクセスできるので、ぜひチェックしてください。
朝日ネットの投資家情報ページを紹介しておくので、参考にしてください。
実際に分析してみる。
実際に分析してみた結果は以下の通りです。
チェック項目 | 朝日ネットの有価証券報告書より |
---|---|
どんな業界に属しているのか? | 通信サービス (SBI証券より) |
主なビジネスは何か? | 回線の提供 |
国内と海外どちらで儲けているか? | 日本のみ |
主な製品の紹介 | 光回線の提供(光コラボ)、IPv6(?)のIPアドレスの提供 |
投資家向けメッセージ (投資家向け説明資料) | ー |
会社概要 | ー |
光回線の提供(光コラボによる)、IPv6(?)のIPアドレスの提供が主な事業みたいですね。
ターゲット層は日本だけで、海外での収益は一切ないようです。
またサービスの主軸であるASAHIネット事業が、前年度比で減収していました。
減収に関しては有価証券報告書の中で、とある大きなサービス (ADSL回線?) が終了したとの説明があったので、一時的な減収と考えて良さそうです。
このように、HPは有価証券報告書の理解を深めてくれます。
ADSL回線の例の様に、HPの中でもっと詳しく知りたい項目があったら、有価証券報告書に遡るのも大切だなと思いました。
企業の近況をチェック
近況は大丈夫か?をチェックするステップです。
スキャンダル、信用失墜につながる何かがあったら、今後が心配ですからね。
一応、以下にチェック項目をまとめます。
大抵はHPから手に入る四半期決算短信に載っていました。
また最近のニュースは「TDnet(適時開示情報閲覧サービス)」で検索をかければ見れます。
実際に分析してみる。
以下の分析結果をまとめます。
個人的に、このステップは最終確認に近いと思います。
そのため、前年比に比べてマイナスになっていないかを確認すれば、ほとんど問題ないのではないかと。
その前年比との比較は、四半期短信の1、2ページ目にある「サマリー情報」が役立ちますよ (下記画像) 。
サマリー情報を見た限り、前期の同時期よりも成長が見られるので、直近も安定して売上を上げられていると考えられますね。
株を購入する
結論、財政状況に問題はなさそうなので、早速ネオモバイル証券で購入しちゃいました。
ネオモバイル証券とは、1株から国内株式を購入できる証券口座です。
500円以下でも株の取引を始められるので、もっともハードルが低い証券口座だと思います。
とりあえず投資経験を積みたい人にオススメの口座開設です。
ネオモバでの購入手順としては以下の通りです。
1. 検索をかける
2. 目的の株のページに移動し「この株を買う」をクリックする
3. 「株数指定」を選択して、一株購入
4. 最後にパスワードを入力すれば購入完了です。
株の探し方を学べば納得して投資ができる
この記事では、企業の株式の分析方法を詳細に紹介してきました。
大きく7つのステップに分けられます。
- 興味のある株を見つける
- 最近の財務状況をみる
- 罠銘柄じゃないかをチェックする。
- 有価証券報告書から、企業の詳細を分析する。
- 何やってる会社か?
- 企業の近況をチェック
- 株を購入する
以上のステップで分析ができるようになれば、資産が着実に増える素敵な投資先を見つけられるようになりますよ。
また、この記事で紹介した有価証券報告書などは、簿記を学ぶとスムーズに読めるようになります。
簿記2級であっても3ヶ月合格は難しくないので、興味があったらぜひチャレンジしてみてください。
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